鉛含有塗料 INDUSTRIAL WASTE

鉛含有塗料

《鉛含有塗料》とは

鉛含有塗料とは、主にサビ止めの目的で鉛化合物を顔料として使用した塗料のことです。
鮮やかな発色や、優れた耐久性、防錆効果から、かつては橋梁、鉄塔、プラント設備、建物の鉄骨部分などに広く使用されていました。

しかし、この塗料に含まれる鉛は人体に有害な物質であり、体内に蓄積すると腹痛、頭痛、貧血、神経障害といった「鉛中毒」を引き起こすことが判明しています。
特に問題となるのが、塗装された建物の解体や、塗り替えのための古い塗膜の除去(剥離)作業です。この際、塗膜の粉じんが飛散し、作業員が吸い込んでしまうことで深刻な健康被害が発生するリスクがあります。

このため、鉛等を含む塗料の剥離作業は、労働安全衛生法(鉛中毒予防規則)のもとで厳しく規制されており、飛散防止措置を徹底した上で、発生した廃棄物(塗膜くず)も適正に処理しなければなりません。

鉛含有塗料》の処理方法

鉛含有塗料が塗られた構造物の改修・解体に伴い発生した「塗膜くず」の処理は、労働安全衛生法に基づく『鉛中毒予防規則』(作業者の安全を守るための法律)と、『廃棄物の処理及び清掃に関する法律(廃棄物処理法)』(環境汚染を防ぐための法律)に基づき、厳格に行われます。

事前調査
まず、塗装されている塗料に鉛が含まれているかを、設計図書や分析によって確認します。

剥離作業
塗膜を剥がす際は、『鉛中毒予防規則』に基づき、粉じんの飛散を防ぐため、剥離剤の使用や散水などで「湿潤化」するのが原則です。作業場所をシートで覆い、作業員は専用の保護具を着用します。

収集・梱包
剥がした塗膜くずは、飛散しないように速やかに袋や容器に密閉して梱包します。

廃棄物としての分類と【特別管理産業廃棄物】への該非
発生した塗膜くずは、廃棄物処理法上「汚泥」や「廃プラスチック類」などに分類されます。ここからが重要なポイントです。

溶出試験の実施
廃棄物処理法で定められた溶出試験を行い、塗膜くずから鉛が基準値(0.3mg/L)を超えて溶け出すかを検査します。
・特別管理産業廃棄物への該当:
この試験で基準値を超えた場合、その塗膜くずは『特別管理産業廃棄物』に該当します。この場合、通常の産業廃棄物よりもさらに厳格な収集運搬・処分の基準が適用され、特別管理産業廃棄物専用の許可を持つ業者でなければ取り扱うことができません。
・普通産業廃棄物となる場合
基準値を超えなかった場合は『普通産業廃棄物』として扱われます。しかし、有害物質である鉛を含んでいることに変わりはないため、マニフェスト(産業廃棄物管理票)で適正な処理フローを最後まで確認するなど、慎重な管理が求められます。

運搬・最終処分
(特別管理)産業廃棄物の収集運搬許可を得た業者が、許可を受けた中間処理施設または最終処分場へ運搬します。処分方法としては、管理型最終処分場での「埋立処分」のほか、製錬施設での「リサイクル(有価金属として回収)」などがあります。

具体的な品目

鉛含有塗料は、特にサビを防ぐ必要がある、以下のような場所で使用されていました。

橋梁・歩道橋: 鋼鉄製の橋桁や欄干などの防錆塗料として多用されました。
送電鉄塔: 屋外に長期間設置される鉄塔のサビ止めとして使用されています。
プラント・工場の配管やタンク: 石油タンクやガスホルダー、化学プラントの鉄骨・配管など。
大型遊具: 過去に作られた公園のジャングルジムや滑り台などの鋼材部分。
建物の鉄骨階段や手すり: 外部に露出した鉄骨部分の初期の防錆塗装。

処理費の目安

要相談

 
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