紙くず INDUSTRIAL ITEMS

紙くず

紙くずについて

産業廃棄物における「紙くず」とは、事業活動に伴って生じた不要な紙類の総称ですが、廃酸などとは異なり、あらゆる事業所から排出されるわけではありません。法律により、建設業、パルプ・製紙業、新聞・出版・印刷業などの特定の業種から排出されるもののみが産業廃棄物として扱われます(指定業種以外から排出されるものは「事業系一般廃棄物」となります)。具体的には、建設現場の内装工事で出る壁紙の端材や包装紙、製紙工場で生じる裁落とし、印刷工場から出るヤレ紙(損紙やテストプリント)などがこれに含まれます。

紙くずの管理において最も警戒すべき点は、引火性の高さによる火災リスクと、水濡れによる品質劣化です。乾燥した大量の紙くずは、静電気やわずかな火種で容易に燃え広がり、大規模な火災に発展する恐れがあるため、周囲を火気厳禁とするなど厳重な保管体制を敷く必要があります。さらに、雨水などで濡れてしまうと悪臭やカビの発生原因となるだけでなく、古紙としてのリサイクル価値が著しく低下してしまうため、屋内での保管や防水シートによる被覆など、徹底した水濡れ防止措置が求められます。

処分方法としては、圧縮や梱包を経たのち、再び段ボールやトイレットペーパーなどの原料として生まれ変わるマテリアルリサイクルが一般的です。また、汚れが激しく再生紙への加工が困難な紙くずは、廃プラスチック類と混合して石炭の代替となる高品質な固形燃料(RPF)を製造するサーマルリサイクルも広く行われています。加えて、印刷業などから排出される紙くずには顧客データや未公開の機密情報が含まれているケースも多いため、情報漏洩を防ぐための専用施設での溶解処理や、シュレッダーによる確実な破砕といったセキュリティ面への配慮も極めて重要視されています。

 
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